メンテ・DIY

コンパウンドの使い方|ちょっとした傷なら修理は必要ない

バンパーやボディについた小さな擦り傷。気にしないようにしていても、洗車のたびに目についてテンションが下がる……。

「でも、修理に出すほどでもないしな」と迷っている方に朗報です。実はちょっとした線傷なら、コンパウンドを使えば自分で目立たなくすることができるんです。

今回は、整備士資格を持ち、板金塗装の経験もある筆者が、DIYでできるコンパウンドの使い方をやさしく解説します。

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コンパウンドとは?

コンパウンドとは、塗装表面を薄く削ることで傷を目立たなくさせる研磨剤のこと。小傷や擦り傷程度であれば、コンパウンドで磨くことで目立たなくなることがあります。

使用方法としては、布やスポンジに適量を取り、手作業で磨く方法と、電動ポリッシャーを使って作業する方法の2種類があります。細かい擦り傷や限定的な範囲であれば手作業がおすすめですが、広い面積を一気に整えたい場合はポリッシャーを使用するのが効果的です。

傷の範囲に応じて、無理なく使い分けることが大切です。

コンパウンドで消せる傷の種類

自動車の塗装構造を示した図解。上から順にクリア層、下地塗装、カラー塗装、地金の4層で構成されている。

コンパウンドで消せるのは、車の塗装表面にあるクリア層までの浅い傷です。

車のボディの塗装は、以下の4層構造が基本です。

説明
クリア層一番上の透明な層で、塗装に光沢を与えるとともに保護の役割もある
カラー塗装車の色を決定する層
下地塗装カラー塗装との密着を高め、上塗りの仕上がりを向上させる。サフェーサーとも呼ばれる
地金鉄やアルミなどの金属に、防錆効果のある塗料が電着されている

カラー塗装まで達した深い傷を消すためにコンパウンドで磨きすぎてしまうと、クリア層が完全に削り取られ、かえってダメージが目立ってしまいます。

目安としては、「爪でなぞって引っかからない傷」であれば、コンパウンドで目立たなくできる可能性が高いです。

コンパウンドが使えないケース

傷が下地塗装や地金まで達している場合、コンパウンドで傷をにすことはできません。

目安としては、傷の部分から異なる色(下地や金属色など)が見えていたり、爪でなぞると引っかかるような深い傷がある場合には、セルフケアではなく塗装修理や板金による対処が必要です。そのため、そういった場合は無理にDIYせず、専門業者に相談することをおすすめします。

また、複雑なメタリック塗装を施された車の場合、メタリック粒子がクリア層に含まれているため、磨きすぎることで粒子が乱れてムラが生じてしまうことがあります。こうしたケースでも、慎重な判断が必要です。

コンパウンドに必要な道具や使い方、実際の手順

必要な道具

  • コンパウンド(粗目・細目・極細目)
  • スポンジ
  • クロス(仕上げ用/洗車拭きあげ用)
  • マスキングテープ
  • 洗車道具一式(カーシャンプー、バケツ、スポンジなど)
  • コーティング剤やワックス

コンパウンドは「粗目」「細目」「極細目」など目の粗さで分かれており、粗いものから順に段階的に使用するのがコツです。

また、コンパウンドには「液状タイプ」と「ペースト状タイプ」があり、液状タイプは広範囲に塗りやすく伸びが良いため初心者にも扱いやすいです。一方、ペースト状タイプは密度が高く、ピンポイントでの補修やしっかりと磨きたい箇所に適しています。用途や仕上がりに応じて選びましょう。

実際の手順

コンパウンドの使い方を4ステップで示した図解。布に付ける、円を描いて磨く、拭き取って仕上げ、ワックスで保護の順に説明。
  1. 洗車して汚れを落とす
    まずはボディの砂やホコリをきちんと洗い流します。洗車せずにコンパウンドをかけると、磨き作業中にボディを傷つけてしまう恐れがあります。
  2. マスキングで保護
    未塗装の樹脂パーツの近くを磨く際には、コンパウンドが付着しないよう、マスキングテープで保護します。
  3. 粗目 → 細目 → 極細目の順で磨く
    少量のコンパウンドをクロスやスポンジに取り、直線的に磨いていきます。縦方向、横方向、再び縦方向と、均一に磨くことで、磨き傷になることを防ぎながら仕上げることができます。
  4. クロスで拭き上げる
    コンパウンドをクロスで丁寧に拭き取ります。番手を変える際には、前のコンパウンドが残らないよう、必ず拭き上げてから次の作業に進みましょう。細目や極細目を使う際に、粗目のコンパウンドの粒子が残っていると、意図せず磨き過ぎてしまう恐れがあります。
  5. コーティングやワックスで仕上げ
    コンパウンドをかけた部分はコーティングが剥がれているため、最後にコーティングやワックスで保護剤を塗ることでツヤと保護効果が復活します。

バンパーを実際に磨いてみた

フロントバンパーに小さな線傷がある車。明るい黄緑のボディに浅い擦り傷が見られる。

筆者の車のバンパーも小傷が目立っていたため、実際にコンパウンドを使用して磨いてみました。

99工房の車用コンパウンド3本。粗目(黄)、中目(赤)、細目(緑)のチューブが並べられている。

使用したのはソフト99のコンパウンドです。

白いタオルの上に緑色のコンパウンドを出した状態。背景には黄緑色の車体と補修ペンが見える。

筆者はウェスにコンパウンドを取りましたが、できればスポンジ等を使った方が均一に仕上がるのでおすすめです。

黄緑色の車体にコンパウンドが塗られている様子。擦り傷の上に青い研磨剤が広がっている。

まず、コンパウンドを磨く範囲に伸ばして磨いていきます。円を描くように磨くと、磨きムラができる可能性があるため、直線的に磨くのがおすすめです。

傷が目立たなくなった車のバンパー。作業後に塗装面がなめらかになっており、傷はほぼ見えない。

完了。多少、ツヤが復活した気がします。

コンパウンド使用時の注意点

コンパウンドで磨き過ぎない

過剰に磨くと、クリア層を削りすぎて塗膜を痛めてしまうことがあります。ある程度磨いて落ちない傷は深追いし過ぎないようにしましょう。

適切なコンパウンドを選ぶ

傷の程度や作業箇所に応じて、目の粗さやタイプを使い分けることが重要です。

コンパウンドには「ペースト状」と「液状」があります。ペースト状は密度が高く、部分的な磨きやしっかりと削りたい傷に向いており、狙った場所を集中して磨けます。一方、液状タイプは広範囲に塗りやすく、伸びが良いため初心者にも扱いやすく、全体的な仕上げやツヤ出しに適しています。

樹脂パーツに付着しないように気を付ける

未塗装の樹脂パーツにコンパウンドが付着すると、白く変色する恐れがあります。特にバンパーやドアモールなどの黒い樹脂部品では、見た目の劣化が目立ちやすくなります。

作業前にはマスキングテープなどでしっかりと保護し、ポリッシャーを使用する際はバフが樹脂部分に当たらないように注意しましょう。ポリッシャーは回転時に熱が発生しやすく、樹脂に触れると溶けたり変形するリスクがあります。

高温による焼け付きに注意

炎天下や摩擦によって塗装面が高温になると、コンパウンドが焼き付き、かえってムラや曇りの原因になることがあります。

特に真夏の日中は避け、作業は日陰や早朝・夕方など気温の低い時間帯に行うのが理想です。どうしても気温が高いときに作業する場合は、小さな範囲を少しずつ磨いては拭き取る、を繰り返すことでリスクを抑えられます。

まとめ:軽い傷ならセルフで十分対処できる!

コンパウンドは、うまく使えば小さな傷を自宅でケアできる便利なアイテムです。

ただし、磨きすぎや誤った使い方をすると逆効果になることもあるため、正しい知識と手順で使うことが大切です。

「これくらいならプロに頼まなくても大丈夫かも」と思ったら、ぜひコンパウンドを活用してみてください。

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