ガソリンスタンドのサービスと聞くと、給油や洗車を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし実際には、オイル交換やタイヤ点検、バッテリー点検、車検の受付まで、日常のメンテナンスを幅広く任せることができます。
この記事では、元整備士の経験をもとに、ガソリンスタンドで受けられる主なサービス内容やセルフとフルの違い、上手な使い分け方を整理しました。
あわせて、注意したいポイントや信頼できる店舗の選び方も解説しています。給油のついでにできる点検やメンテナンスを正しく知っておくだけで、車のトラブルは減らせます。
ガソリンスタンドを日常メンテナンスの拠点として賢く活用したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
セルフとフルの違いは?できることも違うの?

ガソリンスタンドには大きく分けて、セルフサービスとフルサービスの2種類があります。
| セルフサービス | フルサービス | |
| 給油 | 自分で行う | スタッフによる対応 |
| 価格 | 安め | やや高め |
| 営業時間 | 24時間対応が多い | 夜間には閉まるお店が多い |
| サービス内容 | 給油が中心 | 窓ふきや灰皿清掃、点検など |
| 向いている人 | コストパフォーマンスを重視したい方、給油に慣れている方 | 高齢者や初心者、車の点検もまかせたい方 |
セルフサービスは、その名のとおり給油や窓拭き、ごみ捨てなどを自分で行うスタイルのガソリンスタンドです。
フルサービスと比べて燃料油の価格が安く、24時間営業の店舗が多いのも特徴。近年ではセルフサービスが主流になりつつあり、シンプルに燃料だけ入れたい人やコスト重視の人に向いています。
対して、フルサービスでは、スタッフが給油から窓拭き、灰皿清掃、タイヤやバッテリーなどの簡単な点検まで対応してくれます。高齢の方や給油に不慣れな人、また、給油のついでに車の点検もしてほしい、という人にもおすすめです。
どちらのタイプでも、作業ピット(整備スペース)のある店舗なら、洗車・オイル交換・タイヤ交換といったメンテナンスサービスが提供されています。
つまり、セルフとフルで変わるのは給油時の対応のみで、メンテナンス作業に関しては、設備の有無によると考えておくと分かりやすいでしょう。
ガソリンスタンドで受けられる主なサービス一覧
ガソリンスタンドでは、給油だけでなく、車を安全かつ快適に乗るためのメンテナンスサービスも幅広く対応しています。
ここでは、ガソリンスタンドで受けられる代表的なメニューとその特徴を順に紹介します。
車のサブスク【SOMPOで乗ーる(そんぽでのーる)】洗車

ガソリンスタンドの定番サービスといえば洗車。短時間で車をキレイにできる手軽さが人気です。
最近では、高品質な機械洗車機を導入する店舗が増えており、仕上がりの質も年々向上しています。
| 種類 | 料金 | 特徴 |
| 洗車機 | 300~2,000円程度 | 短時間で安い。撥水や泡洗車なども選択可能。近年はコーティング対応機も増えている。 |
| 手洗い洗車 | 2,000~4,000円前後 | スタッフが丁寧に仕上げる。高級車や黒系ボディの車におすすめ。 |
| 下回り洗浄 | 100~1,000円前後 | 洗車機のオプションメニューとして選択可能。融雪剤や泥汚れを落とし、雪国や海沿い地域ではサビ防止に効果的。 |
短時間の機械洗車で済ませる日常ケアと、月1回程度の手洗い仕上げを組み合わせると、見た目もボディの保護も両立できます。
コーティング
車のツヤや塗装を守るのがコーティングです。
「水はじきが悪くなった」「洗ってもくすんで見える」と感じたら、通常の洗車だけではなくコーティングを試してみましょう。
コーティングには、簡易的なものと本格的なものに分かれます。
| 特徴 | コーティングの持続期間 | 費用の目安 | |
| 簡易的なコーティング | 撥水タイプが主流 | 数週間から数ヶ月 | 数千~1万円程度 |
| 本格的なコーティング | ガラス系やポリマー系など | 1~3年 | 2~10万円程度 |
スタンドの強みは、給油のついでにいつものスタッフに施工を依頼できる手軽さです。簡易タイプでも十分に光沢が戻りますので、ツヤが無くなってきたかもと感じている方は、洗車後に追加してみると違いを実感できます。
タイヤ関連
タイヤの状態は、安全や燃費に直結する大切なポイントです。ほとんどのガソリンスタンドで無料で点検してもらえますので、空気圧チェックだけでも立ち寄る価値があります。
- 空気圧チェック:ほとんどの店舗で無料。燃費・乗り心地・安全性に直結するため、月1回はチェックしよう
- 窒素ガス充填:空気圧の変化が少なく、長距離運転や高温時の安定性アップに効果が期待できる。1本500円前後の充填費用が必要
- パンク修理・タイヤ交換:パンク修理は2,000〜3,000円、タイヤの交換やローテーションも依頼可能。
走行中の違和感や燃費の低下を感じたら、まずはガソリンスタンドで空気圧を見てもらいましょう。残溝やひび割れなど、タイヤの状態も判断してくれるので安心です。
エンジンオイル交換
エンジンオイルは「車の血液」ともいわれるほど重要な部品です。汚れたまま走り続けると、燃費の悪化やエンジンの劣化などにつながります。
| 作業時間 | 15~30分程度 |
| 料金目安 | 3,000~6,000円(エレメントも交換の場合、+2,000~4,000円) |
| 交換サイクル | 走行5,000Kmごと、または半年に1回 |
店舗によっては複数のオイル銘柄から選べますので、こだわり派は高品位のオイルを選ぶのも良いでしょう。
一般的に「5W-30」「0W-20」などで表記されるエンジンオイルの粘度は、オイルの硬さや流れやすさを示す数値です。
Wは「Winter」で、前にくる数値は低温始動性、後ろの数値は100℃付近の粘度域(+HTHS下限)を示します。簡単にいうと、左側の数字が低いほど低温でも流れやすく、右側の数字が高いほど高温で粘り強く守ります。
オイルの選定はメンテナンスノートの推奨粘度・規格(API/ILSAC等)を参照しましょう。
バッテリー点検・交換
バッテリーがあがると車を動かすことができなくなってしまうため、定期的な点検、交換が必要です。
スタンドでは専用テスターを使った電圧・内部抵抗チェックを行ってくれるため、給油のついでにバッテリーの状態を確認できます。
| 点検 | 電圧や内部抵抗の測定は無料のことが多い |
| 交換費用 | バッテリーサイズによって5,000円~20,000円前後 |
| 交換サイクル | 2~5年程度 |
近年はアイドリングストップ車やハイブリッド車など、車種専用のバッテリーを使用するケースも増えています。間違った型を選ぶと機能に支障をきたすこともあるため、交換時は必ずスタッフに適合を確認しましょう。
給油ついでに点検しておけば、出先での突然のエンジン始動不能といったトラブルも未然に防げます。
ワイパー・電球・補充類
ワイパーやライトは安全運転に欠かせないだけではなく、保安基準にも関わる重要なパーツです。
雨の日や夜間に不調を感じたら早めに交換するようにしましょう。
| ワイパーゴム交換 | 1,000~2,000円 |
| 電球交換 | 300~3,000円 |
| ウォッシャー液・冷却水の補充 | 無料~500円 |
出先での視界不良や整備不良による違反を防ぐためにも、給油ついでに点検をお願いしておくのがおすすめです。
車検・法定点検
近年では車検や法定点検に対応したガソリンスタンドも増えています。
認証工場や指定工場を併設するガソリンスタンドでは、整備士の国家資格を持つスタッフが点検・整備を担当するため、品質面でも安心できます。
ガソリンスタンドでの車検・法定点検の特徴は次のとおりです。
| 車検見積もり | 無料対応の店舗が多く、事前に費用を把握できる |
| 費用目安 | ディーラー車検と比較して2~3万円安くなるケースも |
| 確認ポイント | 整備範囲、純正部品か社外部品か、代車の有無 |
「車検=ディーラー」というイメージを持つ方も多いと思いますが、ガソリンスタンドの車検は、ついでに頼める手軽さが大きな強みです。
給油やメンテナンスを普段から任せているガソリンスタンドなら、車の状態も把握してもらいやすく、無駄な整備を減らせます。
整備内容や料金は店舗によって異なりますので、見積もりを比較して納得のいくプランを選ぶのがポイントです。
整備士目線でおすすめの活用法3選
ここでは、わたしが整備士として現場にいた経験から、押さえておくべきスタンド活用法を3つ紹介します。
1.無料の空気圧チェックは最強の安全メンテ
空気圧チェックは費用をかけずにできる、最もコスパの良いメンテナンスです。
燃費の悪化やタイヤの偏摩耗、ハンドルのふらつきは、空気圧の低下が原因になっているケースが少なくありません。スタンドでは専用ゲージで正確に測ってもらえるので、月1回の点検を習慣化すると安心です。
もし空気圧が頻繁に下がるようなら、バルブやパンクの可能性もあるため、スタッフに相談してみましょう。
2.手洗い洗車+下回り洗浄でボディを守る
ボディのツヤを保つだけでなく、下回りのサビ防止にもつながるのが洗車です。
特に冬場に融雪剤がまかれる地域では、下回り洗浄を定期的に行うだけで車の寿命が伸びます。
スタンドによっては、手洗い洗車と下回り洗浄をセットにしたプランもありますので、コーティング前の下処理としても最適です。
3.車検前の「無料見積もり」をうまく使う
車検を受ける前にガソリンスタンドで無料見積もりを取るのもおすすめです。
見積書には交換が必要な部品や整備内容が一覧で記載されますので、ディーラーや整備工場の見積もりと比較して、本当に必要な整備と先延ばしできる整備を見分けやすくなります。
実際に現場でも、「他社と比較して無駄な整備が減ったという」お客様の声も少なくありませんでした。
元整備士の僕の経験上、スタンドをうまく使える人は車を長く大切に乗る人が多いです。
ガソリンスタンドにちょっとした点検や相談を重ねることで、思わぬトラブルや高額な修理を未然に防ぐことができます。
その場で即決は待って|注意したい提案の見抜き方
ガソリンスタンドは気軽に相談できる反面、その場の流れで整備や交換を勧められることもありますが、即決する必要はありません。
特に注意したいのは、「今すぐ交換しないと危険です」と強い言葉で不安をあおられたとき。本当に緊急性が高い場合は、理由や数値、現物の状態を具体的に説明できるはずです。
整備士目線で見て、確認しておきたいポイントは次の3つです。
- どこがどう劣化しているのか、数値や目視で説明されているか
- 今すぐ必要な整備か、次回でも問題ない内容か
- 見積もりの内訳が分かりやすく提示されているか
これらが曖昧なままの場合は、一度見積もりを持ち帰り、他店やディーラーと比較してみましょう。ガソリンスタンドも比較される前提で見積もりを出していますので、その場では断っても問題ありません。
店選びのチェックリスト
ガソリンスタンドのサービスは、店舗によって内容や質に差があります。安心して任せるためには、価格だけでなく「対応の中身」を見ることが大切です。
ここでは、元整備士の目線から最低限チェックしておきたいポイントを整理しました。
作業ピット(整備スペース)が併設されているか
ガソリンスタンドのサービスは、作業ピットの有無で対応できる範囲が大きく変わります。
洗車やオイル交換、タイヤ交換などを利用したい場合、ピットがある店舗のほうが待ち時間も短く、対応もスムーズです。また、整備スペースが整っている店舗ほど、工具や設備がそろっており、作業の質も安定しやすい傾向があります。
「給油だけのスタンド」と「整備も任せられるスタンド」は別物だと考えておきましょう。
点検や交換の理由を、数値や現物で説明してくれるか
信頼できる店舗かどうかは、説明の仕方に表れます。
バッテリーなら電圧や測定結果、タイヤなら溝の残りや摩耗状態など、目で見て確認できる説明があるかが重要です。理由を曖昧にせず、状態を具体的に示してくれる店舗ほど、不要な整備を勧めてくる可能性は低くなります。
納得できる説明があれば、整備内容にも安心して同意できます。
見積もりの内訳が分かりやすいか
見積書を見るときは、合計金額だけで判断しないことが大切です。
部品代と工賃が分かれているか、作業内容が具体的に記載されているかを確認しましょう。「一式」「まとめて」といった表記が多い場合は、内容を一度説明してもらうのがおすすめです。
分かりやすい見積もりを出してくれる店舗は、後から追加請求が発生しにくい傾向があります。
部品の種類や保証について説明があるか
同じ整備内容でも、使用する部品によって価格や耐久性は変わります。
純正部品か社外品か、その違いやメリット・デメリットをきちんと説明してくれるかが判断ポイントです。あわせて、交換後の保証期間があるかどうかも確認しておくと安心です。
説明を省かずに選択肢を提示してくれる店舗ほど、利用者の立場に立った対応をしてくれます。
質問しやすい雰囲気があるか
技術や設備だけでなく、スタッフの雰囲気も重要です。
「これって本当に今やる必要がありますか?」と気軽に聞ける空気がある店舗は、無理な提案をしにくい傾向があります。質問に対して嫌な顔をせず、分かりやすく答えてくれるかどうかも、信頼できる判断材料です。
長く付き合うなら、話しやすさは意外と大切なポイントになります。
混雑時間や予約の案内が明確か
忙しい中で利用することが多いガソリンスタンドでは、待ち時間の目安が分かるかどうかも重要です。
混雑しやすい時間帯や、作業の最終受付時間を事前に案内してくれる店舗は、対応が丁寧な印象があります。予約が可能な場合は、その案内が分かりやすいかどうかもチェックしておきましょう。
時間の見通しが立つだけでも、利用時のストレスは大きく減ります。
よくある質問(FAQ)
ガソリンスタンドではどこまでの整備ができますか?
ガソリンスタンドで対応できるのは、洗車、オイル交換、タイヤの空気圧チェック、バッテリー点検、ワイパー交換などの軽整備が中心です。
一方、エンジンやブレーキの分解整備など高度な作業は、整備工場やディーラーの対応範囲になります。日常メンテナンスはスタンド、専門整備は工場と使い分けるのがおすすめです。
セルフスタンドでも点検や整備はお願いできますか?
セルフスタンドでも、作業ピットが併設されている店舗であれば点検や整備を依頼できます。給油はセルフでも、オイル交換やタイヤ点検はスタッフ対応というケースは珍しくありません。
利用前に「どこまで対応可能か」を確認しておくと安心です。
ガソリンスタンドのオイル交換はディーラーと比べて大丈夫ですか?
基本的なオイル交換であれば問題ありません。
重要なのは、車種に合った粘度・規格のオイルを使っているかどうかです。取扱説明書の推奨粘度を伝えたうえで交換すれば、スタンドでも安心して利用できます。
バッテリー交換を勧められたら、すぐ交換したほうがいいですか?
必ずしも即交換が必要とは限りません。
電圧や内部抵抗の数値を見せてもらい、どの程度劣化しているのかを確認しましょう。「次の点検まで様子見できるか」など、判断の余地があるかを聞くのも大切です。
ガソリンスタンドの車検は安いけど大丈夫ですか?
国家資格を持つ整備士が対応するスタンドであれば、品質面で大きな差はありません。
ただし、整備範囲や使用部品、保証内容は店舗ごとに異なるため、見積もり内容の確認が重要です。価格だけでなく、説明の分かりやすさも判断基準にしましょう。
ガソリンスタンドのサービスは断っても問題ありませんか?
まったく問題ありません。
見積もりを取ったあとに「今回は見送ります」と伝えても、トラブルになることはほとんどありません。納得できない場合は即決せず、他店と比較するのが賢い使い方です。
給油だけの利用でも点検をお願いしていいですか?
もちろん可能です。空気圧チェックや簡単な点検は、給油だけの利用でも対応してくれる店舗が多くあります。
むしろ、定期的に顔を出して相談できる関係を作っておくと、いざという時に頼りやすくなります。
まとめ|ガソリンスタンドを日常メンテの拠点に
ガソリンスタンドは、燃料を入れるだけの場所ではありません。洗車やオイル交換、空気圧チェック、バッテリー点検など、日常的なメンテナンスを気軽に任せられる身近な存在です。
セルフかフルかに関わらず、点検内容や見積もりを丁寧に説明してくれるスタンドと付き合うことで、車の状態を把握しやすくなりますので、無駄な整備や突然のトラブルを減らすことにもつながります。
- 給油のついでに点検する
- 気になる点は早めに相談する
- 信頼できる1店舗を決めておく
この3つを意識するだけで、ガソリンスタンドは「トラブルが起きたときに慌てて行く場所」から「普段から頼れる日常メンテナンスの拠点」へと変わります。
次の給油のタイミングで、まずは空気圧チェックや簡単な点検から活用してみてください。