「このままでいいんかな……」
例えば、高卒でガソリンスタンドに就職して数年。車は好きだし仕事も嫌いじゃない。でも、ふとした瞬間にこのまま年を取っていくのかなと不安になることありませんか?
そんなあなたの武器になるのが、自動車整備士資格という国家資格。未経験からでも段階的にステップアップできて、将来の転職やキャリアアップにもつながる資格です。
この記事では、整備士の資格にはどんな種類があるのか、未経験からどうやって目指せるのかをやさしく解説します。
自動車整備士の資格はどんな種類がある?ステップアップの流れを解説
ここでは、整備士資格の種類ごとの違いや、未経験からのステップアップ方法、試験の内容などを順を追って解説していきます。
1級・2級・3級・特殊の違いと役割
自動車整備士は、国土交通省が認定する国家資格です。資格はスキルのレベルや業務範囲に応じて、以下のように分類されています。

| 資格 | 内容 | 難易度 | 主な対象者 | 実務経験の要否 |
|---|---|---|---|---|
| 1級 | 高度な電子制御システムの整備 | ★★★★★ | 管理職・教育担当を目指す人 | 2級取得+3年 |
| 2級 | 一般整備(エンジン、シャシ等) | ★★★★ | 整備士として働くなら必須レベル | 3級取得+3年 or 養成施設卒 |
| 3級 | 点検や部品交換などの軽整備 | ★★★ | 未経験者の登竜門 | 実務1年 or 養成施設卒 |
| 特殊整備士 | 特殊自動車の整備(大型特殊・小型特殊など) | ★★★ | 特殊車両の整備に携わる方 | 実務経験など |
1級は、管理職や教育担当といった上級技術者としての役割が求められる資格です。令和7年7月8日の国土交通省の発表では、自動運転車の検査に1級整備士資格が必須となるアップデートがおこなわれる予定とされており、今後、1級整備士資格が重視される可能性も高くなっています。
そのため、転職希望者にとっては、2級の資格があれば整備業界で即戦力と見なされるでしょう。
2級を取得するには、3級の資格を持ち所定の実務経験を積むか、認定された養成施設で必要な課程を修了していることが条件となります。
未経験者がまず取るべき資格とは?まずは3級からスタートしよう

自動車整備士の資格は段階式になっており、いきなり2級から取得することはできません。
2級を受験するには、3級を取得したうえで一定の実務経験や養成施設での修了が必要です。つまり、未経験者が最初に取れるのは3級のみ。整備士を目指すなら、まずはこの3級からスタートするのが基本ルートになります。
ただし、自動車整備専門学校で二級整備士養成課程を修了した方の場合は、卒業と同時に二級の受験資格を取得できます。また、自動車整備士資格の年齢要件は15歳以上とされており、中卒でも実務経験さえ積めば、早い段階からキャリアをスタートできることも魅力のひとつです。
参考:一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会 自動車整備士を希望されるみなさんへ
3級取得に必要な実務経験はガソリンスタンドでもOK?

実務経験とは、認証・優良認定工場、または指定工場、特定給油店となっているガソリンスタンドで正社員として整備作業に従事した期間を指します。
したがって、ガソリンスタンドでの勤務が実務経験として認められるかどうかは、そのスタンドが認証工場などの要件を満たしているかによって異なります。
勤務しているガソリンスタンドが実務経験の条件を満たしていない場合、まずは認証工場や特定給油店となっているスタンドに転職して、実務経験を積んでから資格取得を目指しましょう。
また、実務経験がなくても、専門学校や整備士養成施設に通うことで資格取得の近道にもなります。
参考:国土交通省 実務経験に関する規定及び申請書記載の注意事項について
3級の学科・実技試験の内容と免除条件まとめ
3級自動車整備士になるためには、日本自動車整備振興会が実施する「自動車整備士技能登録試験」に合格する必要があります。登録試験の内容と、実技試験の免除条件は次のとおりです。
試験内容
- 学科試験:構造・点検・故障診断・法令などを問う筆記試験
- 実技試験:実車を使った点検、部品交換、診断などの実務試験
実技試験の免除条件
以下のような国土交通大臣指定の養成施設を卒業すると、実技試験が免除されます。
- 自動車整備専門学校(1年以上)
- 高等学校の自動車科・整備課程
- 自動車整備振興会の講習コース(2種養成施設)
働きながら資格取得を目指す場合は、学科+実技両方の対策が必要。ただし、養成施設に通うなら、実技試験が免除されるため、短期集中での取得も可能です。
未経験から始められる、自動車整備士という選択肢
自動車整備士の資格は、未経験からでも段階的にステップアップできる国家資格です。 3級は、整備士としての第一歩を踏み出すための入り口。そこから実務経験や養成施設での学びを経て、2級・1級へのキャリアを積み上げていくことができます。
整備の仕事に興味があるけど、未経験だからと諦める必要はありません。知識と技術を身につけていけば、働きながらでも十分に資格取得を目指せます。
まずは、「目指してみようかな」という気持ちがスタートライン。一歩踏み出して自分自身の可能性を広げていきましょう。