「整備士って、なんだか大変そう……」
「資格がないとムリなんじゃない?」
車も好きだし、整備士の仕事に興味があるけど、自分には無理だと諦めていませんか?
自動車整備士は深刻な人手不足に直面しています。そのため、資格持ちの即戦力だけではなく、未経験者でも育てる前提で採用する企業が増えています。
この記事では、整備士の転職市場がなぜ狙い目なのか、未経験から整備業界に転職する方法、そして将来的なキャリアパスまでをわかりやすく解説します。
整備士って今、人手不足って本当?
自動車整備士の人手不足は、数字からもはっきりと見て取れます。
2023年度の整備士の有効求人倍率は約4.55倍。これは求職者1人に対し約4~5件の求人がある状態で、全職種平均(約1.05〜1.35倍)の約4倍に相当します
さらに、整備士全体の平均年齢は47歳を超えており、若手の入職者はここ10年で約半減しているのが実情です。一方で、日本の自動車保有台数は横ばい〜微増傾向にあり、車検や点検など整備の需要は変わらずあります。
つまり、整備ニーズはあるのに、それを担う人材が足りていない。
このギャップこそが、未経験者にとっては転職のチャンスになっているんです。
でも、なんで整備士は人手不足なの?
整備士の求人が多いのに、なぜ人が集まらないのでしょうか?その背景には、次の4つの要因が複雑に絡み合っています。
- 給料が安いというイメージが根強い
- 肉体的にキツそうと思われている
- キャリアの見通しが立てにくい
- 電動化・電子制御への対応が求められてきた
ここでは、整備士業界が慢性的な人手不足に陥っている理由について、具体的に見ていきましょう。
1. 給料が安いというイメージが根強い
整備士は、重労働のわりに収入が少ないという印象を持たれやすい職業です。
残業が多いイメージもあり、とくに若い世代の間では、もっとラクに稼げる仕事があるのでは?という意識が強くなっています。
しかし、整備士の平均年収は約400万円前後とされていますので、他業種の平均と比べても大きく年収が下回っているわけではありません。
2. 肉体的にキツそうと思われている
重たい部品を持ち上げたり、夏は暑く冬は寒い屋外での作業など、肉体仕事という印象も強いです。
僕自身も、4トントラックの整備作業は正直きつかった記憶があります。でも、続けるうちに体も慣れてくるし、筋肉がついてくるのは嬉しかったですね。
最近では、作業環境の改善や設備の自動化など、整備士の労働環境に配慮された工場も増えています。
3. キャリアの見通しが立てにくい
整備士の仕事は職人のイメージが強く、何年続けても給料があまり上がらないのでは?と思われがちです。
しかし、経験を積むことで、整備主任者や検査員、フロント業務や工場長など、ステップアップできるキャリアパスも整備されています。また、現場で技術と信頼を築いたうえで、独立して自分の整備工場を開業するという選択肢もあります。
4. 電動化・電子制御への対応が求められてきた
近年ではEVやハイブリッド車が増加し、電子制御の知識が必要になってきました。
これまでの整備経験だけでは対応できない部分も多く、ついていけないと感じて業界を離れるベテランもいるのが現実です。
一方で、この変化は未経験者にとってもチャンス。ベテランとの経験差が出にくく、むしろ頭の柔らかい若手や未経験者の方が、最新技術をスムーズに吸収できるケースも少なくありません。
それでも整備士が転職しやすい理由
整備士の人手不足にはさまざまな課題がありますが、それでも未経験者にとって整備士が転職しやすい職種であるのには、明確な理由があります。
ここでは、整備士が転職しやすい職種だと言える3つの理由を解説します。
1. 未経験者を育成する前提で採用する企業が増えている
近年では、人手不足を補うために、未経験者を一から育てる前提で採用する整備工場やディーラーが増えています。
とくに中小の整備工場や地方の自動車販売店では、最初はできなくて当たり前という前提で、オイル交換などの基本業務から丁寧に教えてくれる職場も少なくありません。
車が好きで、手に職をつけたいという気持ちがあれば、誰でもスタートラインに立てるのが整備士の世界です。
2. 地方でも安定した求人数がある
都市部に比べて、地方では車が生活の必需品です。
そのため、修理工場のニーズも高く、地域に根ざした職場が多数存在します。たとえば、地元密着の自動車販売店や民間整備工場、車検専門店など、勤務地の選択肢も豊富です。
地元で腰を据えて働きたい方や、Uターン・Iターン転職を考えているという方にも向いています。
3. 年齢よりも人柄や意欲が重視される
整備士の採用現場では、年齢や経験よりも、「長く働いてくれそうか」「素直に学ぶ姿勢があるか」といった人柄や意欲を重視する傾向があります。
社員の平均年齢が高い業界でもあるため、20代後半や30代はまだまだ若手。異業種から整備士へ転職し、未経験からスタートして活躍している人も少なくありません。
まだ間に合うか不安という方でも、前向きな姿勢さえあればチャンスを掴めるのが整備業界の特徴です。
未経験から整備士を目指すなら、何から始める?
整備士への転職を目指そうと思っても、何から始めたら良いのか分からない人も多いかもしれません。
ここでは、未経験から整備士を目指す人が踏み出すべきステップを3つに分けて解説します。
1. 未経験OK・資格取得支援ありの求人を探す
最近では、「未経験歓迎」や「資格取得支援あり」と明記された求人も増えており、整備士の資格がない人でも応募できる企業が少なくありません。
こうした求人は、転職サイトや整備士専門の求人サービスで簡単に見つけられますので、「整備士 未経験」「整備士 資格支援」などのキーワードで検索してみましょう。
2. 現場で経験を積みながら資格を取る
未経験で採用された場合、はじめは洗車や車両の回送、簡単な部品交換といった補助的な業務からスタートします。
OJTで実務の教育を受けながら、3級自動車整備士の資格取得を目指すケースが一般的です。
3級整備士の資格取得には1年間の実務経験が必要ですので、まずは現場に入って実務経験を積むことが確実なステップになります。
3. 整備士専門のスクールに通う選択肢も
時間や資金に余裕があれば、専門学校や養成スクールに通って整備士資格を取得してから就職するというルートもあります。
とくに10代後半〜20代前半の方なら、卒業・資格取得後にディーラーや整備工場へ就職する流れがスムーズです。
ただし、学費の負担や通学時間を考えると、働きながら現場でスキルを身につけていく方法のほうが負担は軽減できます。
まとめ|整備士は人手不足だからこそ、狙い目の職種
自動車整備士は、現在深刻な人手不足に直面している職種のひとつです。
一方で、車社会を支える整備士の需要は今後も変わらず、安定した求人ニーズが続いています。
整備士というと「きつい」「難しそう」といったイメージを持たれがちですが、未経験から挑戦できる職場や、育成を前提とした求人が増えている今は、むしろ始めやすいタイミングかもしれません。
近年では、AIの進化により「AIに仕事を奪われる」という話題も現実味を帯びています。しかし、整備士のように現場での判断力と技術が求められる職種は、簡単には代替されません。
手に職をつけて、長く働ける仕事を探しているなら、整備士という選択肢をぜひ視野に入れてみてください。
未経験から整備士を目指すあなたへ
未経験OK・資格取得支援ありの整備士求人は増加傾向にあります。
「整備士に興味はあるけど、経験も資格もない……」という方でも、今なら一歩踏み出せるチャンスです。
あなたの地元にも、未経験から整備士としてのスタートを切れる職場があるかもしれません。
まずは、気になる求人をチェックしてみましょう。
参考:国土交通省 報道発表資料
参考:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和7年3月分及び令和6年度分)について